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機能創成セミナー Seminar on Mechanical Science and Bioengineering

第163回
2020年01月07日
15:20-
基礎工学国際棟セミナー室
ジャミング転移点近傍の非局所的レオロジー
非熱的なソフト粒子系(コロイド、エマルジョン、泡、粉体など)のレオロジーは、ジャミング転移点近傍で強い空間相関による非局所性を伴うと予想される。非局所的な構成則では、応力は空間内のいかなる点の変形に対しても応答するよう再定義され、粘性率は異なる点を繋ぐ伝搬関数(グリーン関数)の役割を果たす。伝搬関数のモデリングは難題なので、我々はこれを分子動力学法で直接計算した。サスペンションなど、溶媒から抵抗を受けるソフト粒子のモデルを使い、コルモゴロフ流によって局所的なせん断率と応力を発生させ、伝搬関数としての粘性率を測定する。伝搬関数のフーリエ変換が波数の線形項を含むという新しい発見に加え、これを考慮したグリーン関数から非局所性の範囲を定量化したことに意義がある。
齊藤国靖 准教授
東北大学
世話人:大槻道夫
第162回
2019年12月16日
11:00-11:40
基礎工学棟D棟4階D404(共用セミナー室)
多細胞組織におけるメカノケミカルフィードバックシステム〜パターン形成、集団運動、形態形成〜
細胞は、受容した力を生化学反応に変換し、力生成で応答する生き物らしい性質をもっています。このメカノケミカルフィードバックを有する細胞が集団で発揮するダイナミクスは、さまざまな生命機能の根幹をなします。本セミナーでは、MAPキナーゼERKシグナルに着目し、培養細胞における細胞集団移動とマウスの肺における分岐形態形成に関する多細胞のメカノケミカルフィードバックシステムについて紹介します。メカノバイオロジー、細胞生物、発生生物、生物物理、イメージング、数理モデルなどがキーワードですが、美しい動画がたくさんあるので、これらの分野に馴染みのない方でも楽しめると思います。
平島剛志 講師
京都大学大学院 医学研究科病態生物医学
世話人:出口真次
第161回
2019年12月03日
13:00-
大阪大学会館セミナー室1
やわらかい粘弾性体の粘着・剥離・摩擦
粘着剤,ゴム,ゲルなどの材料は,高分子がゆるく架橋してできた,やわらかい粘弾性体である.やわらかい粘弾性体は,大きな粘性や数100%を超える巨大変形などの際立ったバルク力学特性を示すだけでなく,基板と粘着・剥離を起こす際にも特異な界面力学挙動を生じる.本講演では,まず,粘着剤の粘着・剥離動力学に関する実験・理論・数値計算の現状をご紹介する.メソスケールで現れる複雑な変形機構の解明を通した,分子構造からマクロ力学特性へ繋ぐ際の困難を乗り越えるための戦略について議論する.また,後半では,粘着性をもつゲルの摩擦挙動について議論する.新たに見つかった,間欠的・カオス的なスティックスリップモードに関する実験・理論・数値計算の結果を中心に,やわらかい粘弾性体と基板との界面が生み出す多彩な動力学現象の一端をご紹介する.
山口哲生 准教授
九州大学
ソフトマターの破壊:柔らかさが応力集中を低減する2つの事例
ガラスなど脆性物質の耐荷重は,鋭い傷やマイクロクラックの存在によって驚くほど低下する.それらの先端には著しい応力集中が生じるからである.強靭化とは,線形弾性からき裂伸展の間に,何らかの形で応力集中を低減させる機構を入れ込むことに他ならない.ゲル状およびフィルム状物質という柔らかさ-各々,違った意味での柔らかさである―を持った系における応力集中の低減機構について, 講演者がこれまで行ってきた研究を事例として考察したい
田中良巳 准教授
横浜国立大学
き裂進展数理モデルと粘弾性体への拡張
材料組成の変化を秩序変数で表すフェーズフィールド法は、自由境界を持つ多くの分野へ応用され、き裂の有無をフェーズフィールドで表現したき裂進展モデルについても近年盛んに研究されている。講演者と木村は、Bourdin-Francfort-Marigo の近似エネルギーの勾配流方程式を導出することで、フェーズフィールドと板の変位について、数値シミュレーションに適した時間発展方程式が導出できることを示した。さらに、田中のアイデアにより Maxwell 型粘弾性を持つモデルに拡張され、数値シミュレーションから境界変位速度と粘弾性係数の関係によりき裂の進展が切り替わることが確認された。このモデルは、Zener 型や一般化 Maxwell 型へも拡張できることもわかっており、より現実の材料に近い特性を再現し、新しい材料の設計に活用することが期待されている。
高石武史 教授
武蔵野大学
世話人:垂水竜一

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